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ボウイの映画を観た。率直に言って私と同居人の感想は「良くない」だった。ボウイとその音楽でゴダールの『イメージの本』みたいなことしたかったのかなーという印象を受け、逆にあれがいかに精緻で計算尽くの「表現の氾濫」で、慎重に造られたコラージュだったかということ知った。最近観た映画で得られたはっとなるシーンやショット、心に大事にしまっておきたくなる言葉や表情、主人公のハッピーエンドに感極まって「映画ってなんて素晴らしいんだろう」と目を潤ませながら帰路に着けること、ぜひもう一回観たいと月曜朝一番に映画館に足を運びたくなること、観てから八時後家のソファで思い出し涙が流れること、まして映画館からの帰り道でパニック発作の起こるようなショックを受ける、こういうことは当たり前のことではないし、あれらは並の表現ではなかったのだなと改めて思い知った。勉強になった。