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がんばろうと思ったけど午前中仕事したらぐったりしてしまい、午後はオフにした。

久しぶりにかの子さんの続き読む。『河明り』にかの子節(と私が思っている)の素晴らしい文章があった。

「東の河面に向くバルコニーの硝子扉から、陽が差込んで、まだつけたままのシャンデリヤの灯影をサフラン色に透き返させ、その光線が染色液体のように部屋中いっぱい漲り溢れている。床と云わず、四方の壁と云わず、あらゆる反物の布地の上に、染めと織りと繍いと箔と絵羽との模様が、揺れ漂い、濤のように飛沫を散らして逆巻き亘っている。徒らな豪奢なうすら冷い触覚と、着物に対する甘美な魅惑とが引き浪のあとに残る潮の響鳴のように、私の女ごころを衝つ。」