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昼近くに起き、すぐに散歩に出かけた。騙されて結局北大路と鴨川まで歩いてしまった。

途中さらさ西陣の隣のアートスペースに立ち寄った。古い寮を改装したもので、南側二階の小部屋に荒川尚也さんという人のガラス作品の展示があった。ちょうど真昼、南窓に沿って渡してある板に器や花瓶が飾られてあり、黒々した床板に光と器の影がやわらかく映っていた。そのすぐそばの台にガラス製の鳥が一羽。薄い大小のメダル状にしたガラスが羽のように重なり合って、小柄なカラスくらいの鳥を形作っている。微細な気泡が無数に混じっているせいか、ガラスというより氷のようで、特に尾羽などつららをもぎ取って削ったかのよう。

部屋から出て脇の階段を降りる時もう一度外側から見ると、空間が真昼の静謐の中に完成されている感じがあった。

歩きすぎて頭痛くなり鴨川で少し寝転がって休んだ。暖かくなっていろんな生き物が活発になったのだなあと、人や鳥の声を聞きながら寝転がるのは気分が良かった。

 

夜、コンビニの帰りに近くの公園のこぶしがわっと咲いているのを見に行った。あっと驚いた。新設された滑り台の上まで上がると、背の高いこぶしの花をすぐ間近で見れるではないか。滑り台に上がり、写真を撮って、滑り降りた。真っ黒い夜空とこぶしのいい写真が撮れた。フラッシュをたかず、拡大すると少しざらざらした質感で撮れたこと、雲がなくて出ていた星がちゃっかりと二三映り込んでいたことがなお良かった。

一日中同居人の珍言が連発した。