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ピーター・グリーナウェイ『ZOO』『英国式庭園殺人事件』ハシゴで観る。監督の趣味全開で、いい感じに倫理観飛んでいて面白かった。特に『ZOO』は、「有機体としての生命」みたいな、私の好きなテーマと映像だったのでツボに入った。腐敗していく白鳥やシマウマに群がる蛆虫、両脚を切り落とす女、その彼女と同時に関係を持つ双子の兄弟etcといった、一般的に眉をしかめるような表象の連続の中で(女と双子が交わった結果の)双子の赤ん坊がぽんと産まれたので、私の妊娠出産に対する嫌悪感が毒を以て中和された感覚を得た。死んで腐ってドス黒い体液が流れ出し蛆虫が湧くのは「気持ち悪い」のだから、肉欲の結果人間の体内に別の生命体が宿ったり生まれたりすることが「グロ」じゃないわけないよね、どちらも有機体に起こる自然現象なのだから、と。