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カウリスマキ×ジャン=ピエール・レオー『コントラクト・キラー』観る。色づかいと物語が素敵。特に殺し屋役の俳優の哀愁と末期癌?という設定が話に与えるシンプルな説得力がよかった。バラ売りのマーガレットは白い髪と肌にぱっと目を引く口紅が美しい。渋レオーは初めてウイスキーとタバコを嗜んだときの酔ってしょぼしょぼとした顔の演技が最高。カウリスマキ作品の沁みる優しさをたっぷり摂取できた。

行くとき、真っ暗な御所を右手に今出川通を歩いた。昼間の雨を吸った御所の木や茂みや土のせいで軽いもやが立ち込めて、街灯や車のヘッドライトがぼんやりじめじめとして、18時なのに夜更けの湿っぽさがあった。御所を抜けてお店の並ぶところになるととたんに街灯の光がすっきり乾いていたので、植物や土ってすごいなあとふたりで騒いで楽しかった。

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